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一方、その頃__。
Lider某所では、短期間で施設側が教皇との関係を築いた影響を受け、人知れず新たな局面を迎えようとしていた。
「首尾は?」
「整っております。しかし、風向きが変わったことを受けまして。ラジル様は、様子を見守りたいとの旨を申しておりましたが?」
「耳を貸すな!」
人気のない通路をコツコツと早歩きをしながら部下の報告を受けた男は、苛立った様子で部下に一喝すると、助言として「我々まで弱気になってどうする」と付け加えた。
しかし、そんな彼自身。突然現れたフレム=ウイングという名の異世界人の所為で、意見が割れていたLiderの内情が変わりつつあることを肌で感じていた。
「相変わらず情報が滞っているようだな?」
「申し訳ありません。フレム=ウイングに関する情報は、レディウス殿が直接管理しているようでして……。教皇様はなんと?」
「改善の兆しがある内は、施設に手を出すなとの仰せだ。全てはフレム=ウイングにかかってると言えよう」
しかし、そのフレム=ウイングが施設の一員となって働いてる以上、Liderの味方という訳ではないので。不安と同時に不満が膨れ上がる一方であった。
「重罪を疑われたにも関わらず、お咎めなしと言うことですか?」
「その理由が分かる者に、次世代を託すとの仰せだ」
「では何としても、彼を……。グレイ=アシュレイドを手中に納めればなりませんね」
「その通りだ。期待しているぞ」
ところがルシウェルの案内で、グレイ本人に連絡を入れることなく。突撃訪問を果たしたウォームとストームが、偶然にもそんな彼等の計画を阻むこととなる。
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【我が身を守るためには/完】
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