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ちょっと気持ち落ち込んでしまうのは、相手が昔の俺を知っていながら話しやすい人柄で。夢で見た限り、良い人間関係を築いていた印象が強かったからだろう。
「ガッカリした?」
「少し」
「嬉しいな♪ だけどフレム君は、ある日を境に誰かと組むのを避けるようになってね。署内で一番付き合いが長いボクでも、分からないことだらけなんだよ」
「じゃあ私用のことは?」
「残念ながら絶望的かもしれないね。守護竜である鳳炎を連れ回すタイプじゃなかったから、お目付け役がいなかった訳だし」
ーー終わった。
でも今より実力があって、何が起きても対処出来る能力が備わっていたとしたら、鳳炎を連れ回わさない理由も何となく分かる。
「何でも出来るタイプだったんですか?」
「まぁね。ほとんどの公務を鳳炎に任せてたこともあって、私用は単独行動。フレム以外にも偽名があって、使い分けてたそうだよ」
「そうなんですか……。すみません。自分の事、ほとんど覚えてなくて……」
「仕方ないよ。フレム君の場合、ウィズドゥレットが関わってるようだからね。無理に思い出そうとしてぶっ倒れてしまうより、今出来ることを整理して、我が身を守る術を確実なものにした方が良いと思うよ」
「ですよね」
ゲームのようにステータスが見える訳じゃないし、いつまでも行き当たりばったりの魔法で対処出来るはずがない。
「まぁその前に用意した資料を確認してもらって、ボク達とWPの……。否、まずWTPOの言い分を聞いてもらおうか」
「動きに注意してほしいとか言ってた?」
「そうだよ。彼等は、君の事を辛口評価している。施設に言いくるめられ、WPの味方になるつもりはないと考えているようだ。そして、君の友人であるボク達。WPPOを疑っている状態なんだよ」
「最悪ですね」
さらりとムグルが言ってのけるが、意見が割れている時点で、組織としての実力が半減していると言っても過言ではないだろう。
仕事を取られた腹いせに、情報が滞っている可能性を考えたら尚更だ。
「アリアス上司が、そもそも目的を間違えてはいないかと質したところで、話し合いは終了したようだけどね。彼らを束ねる上の立場も不思議に思うぐらい、独自の強い正義感に満ち溢れているんだよ」
「まぁ単純に、人としてやってることは正しいと思いますけど……。警察の身としてやられると、面倒なことに発展しそうですよね」
それも国際レベルより規模のでかい、世界レベルの問題になると、SF映画並みの戦争が起きても不思議ではないだろう。
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