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詰まるところ、ムグル自身決心が付かない提案を考えていたと言うことだ。それでも許せないと思うのは、ウォームに対する期待があってこそなんだろうけど……。
「俺を試すようなこと、止めてくれない? 代表会議でも、わざと俺につっかかってきてたよね?」
「あれはちゃんとした忠告のつもりだよ」
ーーホントかなぁ?
何か裏がありそうで怖いんだけど……。
相手の顔色を窺ってもよく分からない。
一方ムグルは、正当な身分を明かしても変わらない俺の態度に不満を溢してくる。
「家臣としても頑張ってるのに……。フレム君、対応塩過ぎない?」
「だって家臣以前に、そもそもWP事態知らないんだもん。警察って言っても、英里だった世界とは違うんでしょ?」
すると鳩が豆鉄砲を打たれた顔をした後、ムグルは鳳炎にアイコンタクトを送ったかと思えば、テレパシーで何を言われたのかしらないけど両膝をついて絶望した。
「どうしたの?」
「どうやらムグルさん。WPがどのような組織か、私が御説明しているとばかり思われていたようです」
ーー何故?!
確かに何でも知ってそうな鳳炎だけど、彼は守護竜であって警察ではないし……。そもそも評判が悪かったので、話題に出せなかったとは思いもよらなかったようだ。
「と、とりあえず……。ボールを片付けてから、WPの基本的なことを教えてあげるよ」
「やった!」
今度こそWPの情報が得られると確信した俺は、率先してボールを拾い集めると、ムグルの指示でネットを含めた道具を全てウッドデッキに移してから部屋に戻った。
「迂闊だったよ。まさか疑われる要因が、そんな単純なことだったなんてね」
そう言ってムグルは、持ってきたA4用紙の1枚に英語で……。否、彼等の世界で言うと〈共通語〉に分類されるのもしれないが、スラスラと〈World Police〉と書いて見せてから説明に入る。
「世界警察機関、略してWPと呼ばれる機関には、4つの組織で成り立っていんるんだよ」
そこで〈World Police〉と書いた文字を四角で囲い、そこから4つの線を引っ張っると、説明と合わせて文字を書いていく。
「1つは、世界警察組織/WPO。ボク等の世界平和のために活動している組織で。英里さんの世界で言うと、警察で一番偉い〈警視総監〉が所属している組織だよ」
「へ~」
「ボク等の世界の警察署や交番の運営・管理もWPOが担っているから、一般の方と一番接点がある警察官なんだ」
つまり交通安全運動や殺人事件など、英里だった世界でよくニュースで取り上げられる仕事を担った組織なんだろう。非常にイメージし易かった。
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