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「この世界の知識と人脈が主な要因だよ。おまけに研修生が割り占めてるから、舐められてる部分があるんだよね。まぁフレム君のお陰で、随分意見が通るようになったけど」
「でも余り俺を推し過ぎると、公平に欠けるとか言われたりしない?」
Liderと同じように、高く評価してくれるのは嬉しけど……。俺が勝手に思い描く警察のイメージから尋ねてみると、ムグルは小さく笑って答える。
「その辺の事は大丈夫だよ。さすがに図星だと思ったことぐらいしか採用してないし、勝手な行動が目立つようになってきたからね。近々ボク等WPPOを残して、WTPOはこの世界から撤退するはずだよ」
「そうなんですか?」
「先日、許可なくストームさんが管理している施設周辺を偵察していたWTPOに対し、スフォームさんが直接注意した上で、ボク等に遺憾を表明してきたんだよ。WTPOとしては、揚げ足を取ろうとしたんだろうけどね。仕事柄、よく施設を空ける人でしょ?」
「うん、まぁそうだね」
まだ付き合いは短いけど、アクティブに動き回っているし、安全な着陸を実現するために魔法使ってるから。どうしても他の守護者より施設を空ける機会が多いのだろう。
「それが安全上、問題があると訴えたかったんだろうけど……。代役を務めてたのがスフォームさんだったこともあって、即行でボク等の耳に入ったんだよ」
ーー御愁傷様です。
恐らく大目に見ていたストームが、代役を勤めるスフォームに報告していたんだろう。
施設としては、一度忠告してるし……。
さすがに自業自得だと思った。
「じゃあ、それが決めてで?」
「うんまぁ、今すぐじゃないと思うけどね。彼らにも、それなりの実績はあるから」
ーーですよね。
曲りなりも世界を跨ぐ警察組織の一員だ。
スフォーム達が悪事をしているなら、秘密裏に証拠を集める必要もあるだろうし、引き継ぎの問題もあるだろう。
どう考えても今直ぐにはなりそうにない。
「因みにフレム君の方は、担当がWPPOになったことで、何か変わったことがあったりする?」
「変わったことですか?」
WTPOと直接話したことは無いので、余り実感は無いけど……。俺はオウム返しした後、「ん~」頭を捻って率直に答える。
「対応が良いとかで、ストームの機嫌が前より良くなったぐらいですかね」
「えっ、そんなもんなの?」
「そんなもんですよ。まさかとは思いますけど、俺の指示で皆が動いてるとか思ってませんよね?」
発言力が増すにつれて、何時か誰かに誤解されそうだとは思ってたけど……。
俺の質問に「えっ、違うの?」と本気で聞き返してきたムグルに、真顔で「違うよ」と突っ込みを入れた。
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