第36話/初仕事は探偵業務?

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「ほら見ぃ。夜間にも関わらず、騒ぎを聞き付けて来た連中の半数はWPや。制服着とるから分かりやすいやろ?」 「ホントだ」 「瞬間的とは言え、一般でも大まかな位置はだいたい分かるからね」 「せやけどLiderはWPの要望を退けた」 「フレムの言う通り、採掘現場は死石の宝庫だからね。それに集団で魔法を使用されると打つ手がなくなってしまう事から、組織に属さないフレムに白羽の矢が当たった。てところかな」 「それに幾ら相手がWPと言うても、嘘を吐いてるとは思えん程の音が響いとったんとちゃうか?」 「そうでもないと、魔法使用の疑いがあると言われたとしても。Lider程の組織なら自力で捜査出来るだろうし、フレムの力を借りたいとは考えないはずだよ」  俺は、ストームと交互に話すウォームの結論を聞いて腕を組むと、以前戦力ゼロと指摘されたグレイを見た。 「なに?」 「いや。犯人が潜んでる可能性を考えたら、グレイを連れては行けないなぁ。と思って……」 「そうやな」 「今回の件は留守番決定だね。犯人が魔法を使う相手となると、多少なりとも自分の身は自分で守れないと危ないから」  話の流れで薄々気付いていたのか。  俺の提案に賛同したストームとウォームの話を聞いて、しゅんと落ち込んだグレイの反論は無し。  一応戦力外であることは自覚しているようだ。 「しかし、未だ犯人が潜伏しているでしょうか?」 「何言うとるんや。あんたの隊長さんが、フレムに抜け道があるかもしれへんて言うてたばかりやないか。裏を返せば、自由に採掘現場を行き来する道があるかもしれへんっちゅうことやで」 (それにWPがLiderに改めて頼みに来たと言うことは、軽視できない程の魔力を感知した可能性が考えられます) (だよね)  ディフロスの疑問にストームが一喝する勢いで忠告すると、今まで成り行きを見守っていた鳳炎がテレパシーで言ったので改めて思った。  ーーグレイを連れてくと多分危ない。  何かあったからでは遅いし、すでに二度……。  否、セイクの施設で起きた騒動を含めると、三度は危ない目に合ってることになる。 「昼御飯はどうします?」 「そうやなぁ……。十時半か」 「現場は近いので。争った痕跡を見るだけなら、昼過ぎには帰れますよ」 「ちょっと待って」
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