第34話/新たな道筋

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{大なり小なり報告書に目を通していれば分かる事よ。貴方の名前が出ない日も無いしね。それより本題に入ってもいいかしら?} 「どうぞ」 {本気で魚を食べるためだけに、立ち寄るつもりでいるの? はっきし言って迷惑なんだけど} 「ですよね」  俺は、あっさりウォーターの意見に同意した。  ウォームやストームの話が本当なら、安全性に欠けた施設に客人なんて呼びたくないだろうし、相手の予定も尊重しなければ失礼な話だ。 「だからウォーターさんのご都合を教えて下さい」 {私の?} 「実は研修後、魔石の調査を任されそうなんです」 {聞いてるわ。雇用内容にWPが絡んでるそうだけど……。貴方はどっちの味方?} 「ど、どっちの?」  話の流れからしてWPと施設。どちらの都合に則った調査を行うのか聞いているんだろうけど……。 「俺は、どちらの味方にもなりませんよ。ただ聖気を保てる環境にあるのか調べる上で、ウォーターさんに同行してほしいだけなんですけど……。野郎と仕事するのは嫌いなタイプですか?」 {え? あ、大丈夫よ。アイツに言った事は気にしないで。ほんと急な話だったし、此方も仕事があるから何時来るかも変わらない日程は困るの}  ウォーターは、俺の少し落ち込んだ声音の発言に慌て身ぶり手振り否定すると、頑なに断った理由を教えてくれた。 「そう言えば、俺も研修の日程のことは聞いてないけど……。なんか決まってるの? ウォーム」 「え?」 「スフォームは、何泊してもえぇと言っとったで」  冗談にしては、後方で清々しい程のキメ顔に親指まで立て言うストーム。これでは話にならない。 {先が思いやられるわね。あっちでWPと会う約束してたんじゃないの?}  呆れた様子で頬杖を付いたウォーターが二人に尋ねると、ウォームが俺の左横から顔を出して答える。 「あぁ。WPとは、明日の朝一に検問所で会う事になったよ」 「せやから、昼飯時にはとんずらするつもりや」  ーーおい。  どんだけWPを毛嫌いしてるんだよ。  ストームの言い方に俺が項垂れると、ウォーターが同情するように困ったように微笑を溢して本題に戻る。
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