第37話/予定外の遭遇

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「せやけどフレムの場合、悪い噂の立たん教皇様よりLiderのお偉いさんに気をつけるんやで。今回の件で縁が出来てしまうた以上、何かと面倒な事を言ってくるやろうし、派閥があるちゅう噂や」 「要するに表沙汰になってないだけで、Liderの中にも少なからず施設を悪く思ってる人がいるってことだよ」 「ウォーム様」  此処で黙って聞いていたグレイが制止をかけた。  俺もLiderの懐に居るにも関わらず、声に出してする話ではないと思ってただけに大助かりだ。 「ストーム様も場を弁えて話して下さいよ」 「グレイは気にしすぎやて。それに今回はワイやウォームがおるし、正式な雇用契約を交わしとらへんから大目に見とるけどな。ワイ等の施設は副業厳禁や。無闇に安請け合いするんやないで、フレム」 「すみません」  だろうとは薄々勘づいてはいたけど、指導が入った以上知らぬ存ぜぬで罷り通るのは今回が最初で最後だろう。俺は、スープまで美味しく頂くと手を合わせて「ごちそうさま」と言った。 【予想外の遭遇/完】
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