#2 緑のクレヨン

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 卜部の足が止まった。腕組みの思案をちょっと容れてから、彼が笑みを見せた。 「そのまま話せば、いいんじゃないかな。神楽が見たとおりに」 「そうですね」  神楽も、笑顔でうなずいた。ふう、と小さく息を整えて、彼女は卜部を促す。 「急ぎましょう、先輩。みんなが待ってるから」 「ああ」  神楽と卜部は、歌声のする施設に向かって、歩調を早めた。    かーごめ かごめ かーごのなーかの とーりーは いーつ いーつ でーやある……
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