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「でも……ちょっとだけ、話してくる」
どうしても放っておけなくて、僕は駆け足でエリックを追った。
艦橋経由で通路に出ると、下りのオートウォークにエリックの姿が見えた。名前を呼んだのに無視された。
「もう……。相当へそ曲げてる」
僕はダッシュしてエリックを捕まえた。短い距離とはいえ全力で走ったせいで息が切れる。
「エリック、無視するってひどくない?」
軽く文句を言うと、眉間に深いしわを刻んだままエリックが振り向いた。
「おれなんかにかまわなくていいよ」
「そんな言い方しないでよ」
上りのオートウォークに乗った兵士たちがすれ違いざま、こちらに敬礼しつつ、僕たちのやり取りに耳をそばだてていた。
それに気づいたエリックが小さく舌打ちする。
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