3.Past and future

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「今度、有志を集めて戦略研究会を立ち上げるんだ。おまえも来いよ、ミハエル」  仲間に誘われたのだと気づくのに、数秒を要した。あまりに無茶振りだ。 「どうして僕なんか……落ちこぼれだって知ってるでしょう」 「模擬戦で俺を負かしたじゃないか」 「まぐれです。たったの一度ですよ。僕は先輩に相応しくありません」 「相応しいか相応しくないかは、俺が決める」  僕は距離感を図りかねて戸惑った。レキシアと同じ景色を見てみたい。けれど、その資格がないのは自分がよく知っている。 「あきらめてください。僕と先輩は」 「俺が嫌いなんだ?」 「え……嫌いじゃ。ないです、けど」 「女の子みたいだって言ったの怒ってるのか」 「それは、もう別に」 「じゃあ、なんで」 「先輩こそどうしてそんなに押してくるんですか」  僕は困り果てた。交友関係が希薄で正解がどんなものかわからない。みんなレキシアみたいに積極的なんだろうか。 「俺は優秀な人材が欲しいんだ」 「僕はほど遠いです。ごめんなさい」 「入会したいって言葉が聞きたいんだよなぁ」
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