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午前の授業を終え、ランチルームで食事をとっていると、校内放送で僕の名前が呼ばれた。至急、医務室へ来るようにとのことだった。
心当たりのない僕は、訝しく思いながら、残りのスープをあわてて飲みこんだ。
医務室は西棟にある。昼休みで生徒があふれる廊下を通り過ぎ、エレベーターで十階まで上がった。
扉が開くとエレベーターホールにレキシアが立っていた。
「レキ……エヴァレット先輩」
「こっちだ、ミハエル」
前置きもなく、レキシアが「ついて来い」と歩き出す。
「どうして先輩がここに?」
「俺が保護したからだよ」
「犬? 猫を……?」
「違う、人だよ。女の子」
話が見えず僕は聞き返した。レキシアが振り返り立ち止まる。
「フィーネという子を覚えてるか?」
レキシアがその名前を口にした瞬間、全身が凍りついた。
フィーネが……どうして、ここに。なにかの間違いじゃ……。
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