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僕の目の前にたどり着いたときには、マリーの息はすっかり上がっていた。
「マリー、そんなに急がなくてもいいのに。転んで荊に突っ込んだら大変だよ」
「いえ、己との闘いですのでお気づかいなくです!」
掲げてる目標が謎だけど、一生懸命さだけは伝わってきた。
「ところで、おやつの件ですが!」
「うん、スコーンがいいな、紅茶の」
「かっしこまりました! 紅茶のスコーン、私も大好きです♡ クレア、厨房に取りに行きましょ!」
「はい。ではミハエル様、失礼します」
「またあとで」
マリーとクレアに手を振り見送ったあと、ほどなくして百華園にカイが現れた。白い伝統衣装で、襟と袖口の縁取りは金色だ。カイはこの色味がとてもよく似合う。
急ぐでもなくゆったりと、それでいて堂々と歩く様はまさに王子の風格で、僕とは根本的に備わったものが異なる。天性の気品? 気高さ? 変態なのはご愛敬、ということにしておこう。
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綾瀬シキさん(https://estar.jp/users/156099666)がカイを描いてくださいました♡嬉しいです!
キリ番(じゃなかったんですがホントは)2222踏んだ記念に描いてくださったのです!カッコいい。変態さの欠片もありませんよ。心優しいシキさん、ありがとうございました(;つД`)♡
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