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「賓客としてお迎えするようバルツァー元帥より仰せつかっております。杞憂は無用にございます」
出向く場所は軍事施設ではないようだ。衛生的な場所で過ごせるならどこでもいい。でもなぜ王宮なのだろう。
「ミハエルの身に何かあれば、ただでは済まぬこと肝に銘じていただこう」
「心いたします」
レキシアの言葉にアニエスが硬い面持ちで頷いた。
「ではリルシュ殿、参りましょう」
アニエスが僕を促した。歩き出したアニエスの背を追うと、ケルサス兵もそれに続いた。
レキシアやラウルの顔を見たら気持ちが揺らぎそうだ。振り向かずに行こう。寂しいなんて感じてる場合じゃないんだ。
靴音が通路に響く。格納庫までの短い距離がやけに長く感じた。
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