2.Draw

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 レキシアが首都星(デミトリオス)作戦本部に一連の流れを報告すると、バルツァーの申告通り実兄エルンストが収監されている事実が確認された。  議会による承認手続きが済み次第、送還準備に入るらしい。思いのほか早い対応だったのは、ネスラーと大将が政治家と強い繋がりを持っていたからだ。  戦いぶりはどうあれ、軍の上層部までのぼりつめたのだ。政治的に優遇するのが得策との思惑もあるだろう。  戦場となったラクリマ星域は、プライマリの首都星デミトリオスとケルサスの首都星レガリアの中間地点にある。両軍ともワープ航法で五日の距離だ。  すみやかに手続きがなされたとして一週間、エルンストを乗せた艦が出発するまでさらに一週間、首都星(デミトリオス)からここまではワープ航法で五日かかる。  数万の兵を抱えたまま待機とはいかず、大将と僕が交代した後、各々の首都星に一旦帰還する段取りが組まれた。
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