10人が本棚に入れています
本棚に追加
第四話 フィリア・ドライブ
@横須賀軍事基地
「おいおい、洒落になってねーぞ、これ」
「こ、こんなにいるんですか・・・」
戦地に到着したハルスとシエルが現状を目の当たりにし、敵の多さに驚愕した。
彼我戦力差は7:3といったところで、見るからに不利と言える状況だった。
「四の五の言っていても、仕方がないね。各個撃破に持ち込むのが得策だ。ハルスとシエル、デンジとゴーシュのツーマンセルで殿を頼む。僕は遠方の敵を狙撃して、攻撃の波を緩めよう」
Λ小隊の各機が散開する。
「しゃーないわな、いっちょやったりますか!」
「に、逃げちゃ駄目ですもんね・・・!」
ハルスとシエルの二人はやっとの思いで一体ずつ捌いていく。
被弾を惜しみながらも迎撃する二人とは、また対照的な二人も前線に立つ。
「数は多いが、ピュラクス級だ。落ち着いて迎撃するぞ、ゴーシュ」
「了解だ、デンジ」
互いに死角を援護し合いながら、凄まじいスピードで撃破していく。
ゴーシュは接近戦を、デンジは射撃戦を得手とし、相性が良かった。
「うかつだぞ」
「ありがとう。助かったよ」
「・・・・・・・」
(あの二人、上手く連携が取れている。この調子なら、なんとか押し返せるかな・・・)
彼ら二人の活躍もあり、ヘレネスの侵攻も少しずつ抑えられてきた。
イヴァンもそれを見て、一縷の希望を持ったが、それと同時にある違和感を覚えていた。
(しかし、妙だな。攻撃や戦法が単調すぎる。ヘレネスはまだ本領を見せていないのか?)
最初のコメントを投稿しよう!