第四話 フィリア・ドライブ

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@ 太平洋沖 空中 カサンドラ内部 『アルトリオ卿、君は何を手こずっている』 「も、申し訳ありません!持てる限りの戦力は投入してはいるのですが・・・」 『力押ししか能がないのか、君は。卿も無い知恵を振り絞って、戦ってみ給え』 「は、はい、善処致します、ゼグド宰相・・・」 ヘレネス皇国の中で日本を侵略の拠点としているのは、辺境伯のアルトリオ・ノルマ。通信越しにゼグドに詰められていた。 (くっ、私よりも年下で、下層階級出身のくせに・・・!) 『まあ、卿の責任は私の責任でもある。そちらに援軍を遣わした。上手く使ってくれ給え』 「か、感謝します。次こそ彼奴等を仕留めて見せましょう・・・」 『ふふ、期待しているよ、アルトリオ卿』 モニターの通信が切れ、アルトリオは苛立ちと焦りを露にする。 「まずい、まずい、まずい、まずい、非常にまずい!このままでは私の面子が丸つぶれではないか!」 近くの者に怒鳴り散らすように、八つ当たりをするアルトリオ。それを従者に宥められていると、一人の少年の呆れ顔で近づいてくる。 「うるさいなぁ、静かにしてよ。折角加勢に来たのにさ、やる気なくしちゃうな」 「ゼ、ゼナム様!宰相殿のご子息である、あなたがなぜここに。!・・・もしや援軍とは」 「そ、僕だよ。父さんたら息子使いが荒いんだから。まあ、僕も好きでここに来たんだけどさ」 「ああ、あなたが来てくれれば百人力です!共にバーバリアン共を駆逐していきましょう!」 握手を求めるアルトリオ。ゼナムはそれに嫌悪感を露にし、拒絶の言葉を口にした。 「僕ってさぁ、あんたのような大人嫌いなんだよね。だーかーらー、僕は好きにやらせてもらうよ」 カサンドラの格納庫へと向かうゼナムを眺め、アルトリオの苛立ちのバロメーターが吹っ切れた。 (っ!あの親にしてこの子ありか!私をどれだけ虚仮にしたら気が済むのだ・・・!) 「ねえ、戦況ってどんな感じなのさ?」 ゼナムが兵士の報告を頷きながら聞き、ニヤリと笑みを浮かべた。 「そっかぁ、なら僕がこの流れを変えてあげよっと。僕の《カシオペア》のお披露目といこうか」 艦内の兵士たちもゼナムの出撃準備を手伝い、ゼナム自身も専用機である《PDー12 カシオペア》へと乗り込みんだ。 「フィリア・ドライブ、出力安定」 光の粒子が散布され、《カシオペア》が上空より降下していった。 「さあ、お楽しみの時間だぁ・・・!」
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