第四話 フィリア・ドライブ

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《カシオペア》、左腕損傷。 「う、うわぁっ!!・・・何だよ、ちゃんと動けよ《カシオペア》ァァァ!!」 危険を察知したのか、ゼナムは図らずとも距離を取った。 周囲のヘレネスもゼナムの下に集まり、冷静さを失いつつあった彼を諫めていた。 部下は撤退を推奨し、運搬用の戦闘機を呼びよせて、ゼナムと共に上空へと避難する。 「うるさい!撤退などするものか!これでは父さんに合わせる顔が・・・」 ゼナムは片意地を張って戦闘を続けようとすると、前方のヘレネスが爆発した。 爆風の奥から見えたのは《アキレウス》。バスター・エッジを投擲し、敵を撃墜したようだ。 『目標を捕捉しました』 「逃がさないぞ」 光の粒子が銃口へと収束していく。上空へと狙いを澄まし、《カシオペア》を見つめる。 「発射!」 『発射』 凄まじい反動で《アキレウス》は仰け反ってしまったが、ゴーシュの思いも乗せて、最大出力の弾丸が飛んでいく。そして・・・ 「う、嘘だ!バーバリアンにこの僕が・・・!」 大きな衝撃が轟き、爆散。その各部が海へと散って落下していった。 ゴーシュはその様をただ静かに見つめていた。 『敵機の撃墜を確認しました』 「ふう・・・・・・」
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