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第五話 サナ・インカミング
「・・・休暇?」
「うん、エルガー大佐の計らいでさ、僕達若い人たちにね」
「きゅ、急ですね・・・」
突然の連絡に戸惑う一同。デンジがその場を代表して、疑問をイヴァンにぶつけた。
「何故自分達が?」
「ああ、それはね。僕達本来なら学生の年齢だろ?非番の時まで戦争の話持ち込むことはない、学生なら学生らしいことでもしたらどうだ、って」
「そうか、学生か・・・」
戦地に身を置いている彼らには、学生という事実を忘れかけていた。それはゴーシュも同様だった。
(休暇か・・・。何をすればいいんだろうか?)
「というわけで、今日一日くらいゆっくりと羽を伸ばしてくれ」
イヴァンは後ろ向きざまに手を上げ、その場から立ち去って行った。取り残されたゴーシュ達はざわめきだした。
「羽を伸ばせ、っていわれてもなぁー、皆どうするよ?」
ハルスが皆に予定を聞くと、突然の休暇ということもあり揃いも揃って悩みだす。すると、シエルがか細い声を上げ、申し訳なく手を挙げる。
「あ、あの・・・」
その声を聞いて、一斉に彼女の方に視線が集まった。
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