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「ひうぅ!・・・わ、私は皆さんとお出かけでもしたいなぁ、なんて・・・」
「・・・お出かけ?何で?」
ゴーシュが無愛想に理由を訊ねた。
「せ、折角の休みなんですから、ここから動かないのも・・・も、もったいないというか・・・その・・・すみません」
「何で謝ってるの?」
矢継ぎ早に問い詰めるゴーシュに、シエルは狼狽えていたところ、ハルスが助け舟を出した。
「おい、ゴーシュ。シエルが困ってんぞ」
「え・・・、なんか、ごめん、シエルさん」
「い、いえ・・・」
そんな些細な会話を横に、デンジが顎に手を当て、
「・・・いいんじゃないか、お出かけ」
とシエルの提案に賛成し始めた。彼が賛成するとは思ってもなかったのか、全員が驚いており、それは提案者であるシエルすらもだった。すると、デンジが少し不服そうにこう言った。
「・・・そんなに意外か?もっとΛ小隊としてもチームワークを強化すべきだと思ったんだが」
「ああ、そういう事かい。いつものお前で安心したよ。まあ、俺もデンジに賛成だわ。チームワークとか云々は置いといても、皆ともっとなかよくなりたいしさ、特に女の子とか」
そう言うと、ハルスはシエルの方に顔を向けたが、シエルは咄嗟に目線を逸らした。
「はあ、ノヴァリスちゃんも来ないかねぇ」
「それは、ノヴァリスさんに聞いてみないと分からないね。僕聞きに行ってくる」
そう言うと、ゴーシュは駆け足でノヴァリスを探しに行ってしまった。
「あいつ、ノヴァリスちゃんのこととなると、いつもああだな。まあ、あいつも行くってことでいいんだよな?んじゃ、街にでも繰り出そうぜ、シエル」
「は、はい、ありがとう、ハルス君」
「俺も準備が整い次第向かう。二人は先に行ってくれて構わない。シエル、後で連絡をくれ」
「わ、わかりました。ゴーシュ君にも後で私が連絡しておきますね」
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