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そう言うと、ノヴァリスは上空を見上げた。ゴーシュもそれに釣られて、空を仰いだ。
蒼穹の彼方から幾つもの流星が流れてきていた。
「まさか、この近くにも落ちるのか・・・?」
着地すると同時に、近くの建物が瓦解し始めた。
落ちた先は、学園からそう遠くない場所だった。
ゴーシュはそれを目視で確認すると、
「あ、あれが・・・・・・ヘレネス・・・!」
彼は飛来した物体が講義や情報で聞いたものと同じヘレネスであることが分かり、怯んだ。
そして、間もなくヘレネスは周囲へ攻撃を開始した。
「いけません!私が止めないと・・・」
「止めるって、どうやって・・・」
そのとき、ヘレネスの攻撃がこちらにも飛び火した。
「うわっ!」
「!ゴーシュさん!」
ノヴァリスは咄嗟にゴーシュを助けたが、彼女は負傷してしまった。
「っ!早く逃げてください!」
「に、逃げろって言ったって。君を置いてはいけないよ・・・」
「ゴーシュさん・・・・・・うっ!」
彼女は動ける状態ではないことが分かり、ゴーシュは自分の服で彼女の大元の患部を止血し、応急処置を施した。
「これも学校で教わったのさ。大丈夫かい?」
「僕が囮になるから、ノヴァリスさんは避難するんだ」
「そんなこと出来ません!私には責任があるのです」
「・・・そんな責任とか言われても。僕はまだ君の事情だって、気持ちだって分からない・・・・・・けどね」
ゴーシュは確固たる決意を胸に秘め、猛った。
「目の前の女の子が傷ついていられるのを、黙ってみてられないんだ!」
「ゴーシュさん・・・」
ゴーシュは学園に向かい、《RZ-6 キルケゴール》に搭乗し、駆動準備にかかった。
「エンジン始動。モニターアイ、オープン。シノミリア・リアクター作動領域確認完了。OS始動。エネルギー充填完了・・・・・」
瞬時に準備を終わらせ、《キルケゴール》の翡翠色の眼を光らせ、発進した。
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