10人が本棚に入れています
本棚に追加
ゴーシュはヘレネスに接近しながら、OSにキヴォトスへの救難信号を出すよう指示を出した。
『キヴォトスに信号を送りました』
「到着するまで、どのくらい?」
『以て5分です』
「5分・・・、やるしかないのか・・・!」
銃を構え、ヘレネスに向けてライフルを連射した。
しかし、その銃弾はほとんど効果はなかった。
「っ!だけど、気を引かせることが出来た」
なるべく被害が少なく済むよう、裏山の方へ誘導した。
「よし、いいぞ。そのままこっちに来い!」
ライフルで応戦しながら、誘導を続けていた、その時だった。
ヘレネスはゴーシュの方向へ砲撃を始めた。
「っ!不味い!」
ゴーシュは初弾は交わしたが、第二波に被弾してしまった。
肩部のシールドで何とか直撃は防ぐことはできたが、《キルケゴール》はほとんど大破してしまった。
「ぐっ!《キルケゴール》ではこれが関の山か・・・」
ゴーシュはその場で機体から脱出した。
「キヴォトスはまだ来ないのか・・・!」
焦りと不安、恐怖。マイナスの感情がゴーシュを揺さぶっていた。
ゴーシュはヘレネスから逃げるように裏山の奥へと突き進んでいった。
すると・・・・・・。
「これは・・・、あの時の・・・!」
だが、何の因果かゴーシュが機体を降りた先にあったのは、あの時ノヴァリスが乗っていた新型のパノプリアだった。
その時、ノヴァリスやサナ、デンジの顔がフラッシュバックした。
「っ!ああ、そうか、僕は・・・」
ゴーシュの日常は退屈であり、窮屈なものだった。
だが、そんな日常でも守りたいもの、守りたい人がいることを思い出したのだ。
「・・・ノヴァリスさん、これ借りるよ!」
ゴーシュはその新型に乗り込んだ。
最初のコメントを投稿しよう!