第一話 ノヴァリス・エンカウンター

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ゴーシュはヘレネスに接近しながら、OSにキヴォトスへの救難信号を出すよう指示を出した。 『キヴォトスに信号を送りました』 「到着するまで、どのくらい?」 『以て5分です』 「5分・・・、やるしかないのか・・・!」 銃を構え、ヘレネスに向けてライフルを連射した。 しかし、その銃弾はほとんど効果はなかった。 「っ!だけど、気を引かせることが出来た」 なるべく被害が少なく済むよう、裏山の方へ誘導した。 「よし、いいぞ。そのままこっちに来い!」 ライフルで応戦しながら、誘導を続けていた、その時だった。 ヘレネスはゴーシュの方向へ砲撃を始めた。 「っ!不味い!」 ゴーシュは初弾は交わしたが、第二波に被弾してしまった。 肩部のシールドで何とか直撃は防ぐことはできたが、《キルケゴール》はほとんど大破してしまった。 「ぐっ!《キルケゴール》ではこれが関の山か・・・」 ゴーシュはその場で機体から脱出した。 「キヴォトスはまだ来ないのか・・・!」 焦りと不安、恐怖。マイナスの感情がゴーシュを揺さぶっていた。 ゴーシュはヘレネスから逃げるように裏山の奥へと突き進んでいった。 すると・・・・・・。 「これは・・・、あの時の・・・!」 だが、何の因果かゴーシュが機体を降りた先にあったのは、あの時ノヴァリスが乗っていた新型のパノプリアだった。 その時、ノヴァリスやサナ、デンジの顔がフラッシュバックした。 「っ!ああ、そうか、僕は・・・」 ゴーシュの日常は退屈であり、窮屈なものだった。 だが、そんな日常でも守りたいもの、守りたい人がいることを思い出したのだ。 「・・・ノヴァリスさん、これ借りるよ!」 ゴーシュはその新型に乗り込んだ。
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