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操縦方法が一般的なパノプリアと同じことが分かり、要領よく起動させたところで、機体のOSが出迎えてくれた。
『生体認識完了。《VTX-0 アキレウス》起動開始』
『敵機接近。六時の方向。距離3』
「《アキレウス》・・・。近接用の武装はないのか?」
『背面部に実体カッターのバスター・エッジがあります』
「これか・・・!」
背面部に装備されているバスター・エッジを構え、ヘレネスに突き刺した。
この攻撃は有効ではあったものの、決定打に欠けていた。
「なら、もう一発だ!」
もう一つのバスター・エッジも突き刺した。
すると、内部の核が破壊されたのか、攻撃の雨は止み、ヘレネスは完全に沈黙した。
「はぁ、やったか?やったよな?」
ヘレネスの撃墜を確認すると、コックピットから外に出て、自分の目でも確認した。
複数のパノプリアの機動音が聞こえ、
「遅すぎだよ・・・。キヴォトス・・・」
と呟くと、コックピット上から街を見渡す。
すると、近くからゴーシュの名前を呼ぶ声が聞こえた。ノヴァリスだった。
ゴーシュも機体から降りて、ノヴァリスと同じ目線に立つ。
「ゴーシュさん、感謝致します。また助けられてしまいましたね」
「いや、僕がやろうと思ったことだよ。それよりケガは大丈夫?」
「はい。何とか歩ける程度には回復致しました」
「そっか・・・、なら良かっ・・・た・・・」
ゴーシュは疲れたのかその場に倒れこんだ。
ノヴァリスはゴーシュを優しく抱きしめ介抱し、
「本当に・・・ありがとうございます・・・。私の胸をお貸ししますので、十分お休みになってくださいね」
と微笑んだ。
「・・・パノプリアだ。新型か?少なくともウチの所属ではないみたいだ」
「まあ、いいじゃん。この町を守ってくれたみたいだし、ヒーロー様には感謝しなくちゃなぁ」
キヴォトスの部隊が通信で、《アキレウス》について話している。一人の隊員がモニターをゴーシュ達の方へズームさせた。
「お、可愛い女の子もいるぞ・・・、隣の男が邪魔だなぁ。なあ、見ろって、デンジ!」
「っ!・・・・・・ゴーシュ、お前なのか・・・?」
その声の主は、ゴーシュの知己でもあるデンジだった。
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