第二話 戦う理由

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第二話 戦う理由

「う、ううん、ここは・・・?」 ゴーシュは目を覚ますと、知らない場所のベッドに横たわっていた。 その時、部屋の自動ドアが開き、見知らぬ青年が入ってきた。 「ん、目覚めたみたいだな」 「・・・あなたは?」 「僕はイヴァン・リュボーフィ。イヴァンで構わない」 「・・・ここはどこですか?」 イヴァンと名乗ったその人物が言うには、ここはキヴォトスの医務室らしい。ヘレネスとの戦闘後、僕はキヴォトスに保護されたようだ。 「ゴーシュ・スヴェンソン。聖ピレイン学園の二年生・・・」 イヴァンはゴーシュに関する情報を列挙し始めた。 ゴーシュはある程度の情報を知られていることを悟り、黙って聞き続けた。 「驚いたよ。僕らが駆け付けたときには、既にヘレネスが倒されていたからな」 「・・・本当遅すぎですよ、キヴォトスは」 「その件はすまない。だが、君のおかげで町は最小限の被害で済んだ。僕からも感謝する。ありがとう」 ゴーシュは皮肉を言ったつもりだが、率直に感謝されてしまったので、少し面映ゆくなった。 状況をある程度呑み込んだゴーシュは、ふと彼女のことを思い出す。 「!ノヴァリスさんは・・・?」 「?ああ、君と一緒にいた女の子か。大丈夫、彼女も無事だ」 「・・・そ、そうですか。はぁ、良かった・・・」 彼女の無事が確認でき、安堵の表情を浮かべるゴーシュ。それを見てはにかむイヴァン。 ゴーシュは恥ずかしくなり、顔を背ける。 その時、医務室にもう一人の来訪者が現れた。ノヴァリスだった。
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