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「ところで遥さん!私、これからどうすれば良いんですか?何も考えずに冷凍睡眠しちゃったし、この時代に知り合いなんていないから一人じゃ何も出来ません。私には遥さんみたいな武術も無いし、ちょっと勘が良いだけです。私一人ではこの時代で生きていけません。」
何も考えずに冷凍睡眠するなよ・・・とツッコミたくなる遥。
「そんな事を私に言われても困るのだがな・・・。大臣の一族に復讐してやろうとか、この国を1から作り替えるとか、何か野望がないのか?」
「元々はそのつもりで冷凍睡眠したんですが、よく考えたら後ろ楯もないのに無理ですよね。この時代の人が不便なく暮らせているのならそれでも良いかなって思います。」
優しい女性だ・・・遥なら復讐の為に一国を滅ぼすつもりで一人で反乱するがクレアはそれをしない。優しい女である。
「クレアがそういうなら別に良いが、私はお前とは一緒に旅が出来ないぞ?私は世界一の武芸者となるべく旅をしているからな。当然危険なところへ行くし、命を落とす可能性もある。だからお前を連れていくことは出来ぬ。」
「そんなぁ・・・」
涙目のクレア。そんなクレアを見て、可哀想な気持ちになる。
「では、知り合いの男の家で住んでみるか?おじさんだが」
「おじさんですか?良いですね。おじさんなら、私を性的な目で見ることもありませんし、安心できますね。」
いや、それは大きな勘違いだと思うぞ?と遥は心の中でツッコんだ。
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