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「まあ、私は祭りが終るまでこの町にいる予定だからそれまでにそのおじさんを呼んでおこう。」
遥はお湯から出ようとする。あまり長湯するときにのぼせてしまうからな。
「えっ?お祭りですか?面白そうですね!私も行きたいです!」
「いや、お前は出ない方がいいような気がするぞ?」
「何でですか?私は今まで女王という立場、王族という立場のため祭りすら自由に出来ませんでした!でも今は王族でも何でもないのでやりたい放題出来ます!」
祭りという言葉に妙に敏感に反応するクレアに遥は若干困惑気味である。
(ぐっ・・・!こいつを祭りに連れていったら騒ぎが起こると思うのだが・・・。この祭りは国一番の神と言われているクレアを祀る祭りみたいなものだし)
「いいか、クレア?私の言い分を聞いてくれ。お前が参加すると面倒ごとに巻き込まれる可能性があるのだ。」
遥はクレアにこの祭りの事を説明した。この祭りはクレアの聖誕祭であること。そのクレア本人がでたら祭りがパニックになる可能性があることを。
「でも、私が存在していたのは何千年も前の話ですから誰も私なんて分かりませんよ?」
「いや、一応お前の肖像画とかあるから分かると思うぞ?なんか、遺跡の周りにあった観光パンフレットにあった気がするぞ。そこそこ似ていた気がする。」
「それでも祭りに行かせてもらいます!祭りの空気を味わいたいのです。それに私に似ている人ぐらいそこそこいるでしょ?」
どうもクレアはどうしても祭りに行きたいらしいようである。
まぁ、クレアに似た美人さんなら沢山いるし別に大丈夫か・・・と遥は仕方なくOKサインを出す。
「それでその祭りとはいつからですか?」
「明日かららしい。この国最大の祭りだから色んなお店も出るし、色んなイベントもあるらしい。」
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