女神の聖誕祭

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しかし、南へ歩いても全然イベント会場にたどり着かない。この町は意外と広いみたいだ。 でも、これだけ急いで歩かされるなら着物より巫女装束を着てきたのは正解だった。着物は大股では歩きにくいし、急いでいるときには動きにくいからな。 その時、遥は周りの目に気付く。 (ん・・・?なんだコイツら?私をジロジロ見てきて。そんなに私が美しいのか?) すると遥は自分の巫女装束にみんなが目を向けているのに気付く。この辺りの国では巫女さんは物凄く珍しいのであろう。 そんな事を考えていると一人の丸々と太った大男が遥の前に立ち塞がる。 「ブッヒッヒ!お嬢ちゃん、少し良いかなぁ?」 「ん?なんだ?私は今人探しで急いでいるんだ。」 「おぉー?人探し!それならさっきこの町に慣れてなさそうな人をあっちで保護したよぉ?」 「本当か!すまないが私が探している人かも知れないから案内をしてくれないか?」 遥はこの時、胡散臭そうなデブ男を何の躊躇いもなく信じた。 「ブッヒー!それなら向こうの森の中の建物だよぉ。早く行くのだぁ」
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