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彼は、永遠に生き続けている。真白が生まれた村では、そう語られていた。本人曰く、「永遠ではないけれど、人の感覚で言えばそれに近い年月を過ごしてきたね」とのことだ。そして、数々の超常を生み出す特異な力。……彼は、人の輪の中では生きられない。そのくせ、人のことは好きでいるから、とてもつらい目に遭い続けてきた。それゆえに、こうして終わる術を探している。
「……わかりません」
そればかりは、足で探し回るほかない。そして足で探し回ったとしても、本当にそれがこの世に存在しているかもわからない。
「でも、見つけます。私が絶対、絶対見つけます」
根拠などなかった。だが、村を出る際、そう約束した。
「そうだね。……ありがとう」
「はい」
彼は、真白の言葉を信じてくれている。そう実感するたび、真白の胸が痛む。
見つける。見つける努力はやり続ける。だが、その果てにあるものは。思うたび、どうしようもなく泣きたくなるのだ。
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