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彼女以外のメンバーは全員出払って、別の任務にあたっている。
寂しいことに相方のシリル・マクドウェルもそちらに駆り出された。
今頃地球の反対側でヴァンパイヤを追いかけているに違いない。だからここには新名とチームリーダーのスカーレットの二人だけしかいない。
おまけに彼女は電子機器を詰め込んだバンの中。今頃ボスに事後報告をしているところだろう。
自身のことなど誰も目にくれないのだ。
「寂しいし。眠みーし。腹減った!」
水平線の彼方からまばゆいばかりの朝日が昇る。
つい今しがた、軽快に戦闘していたのが嘘のように体は疲労困憊状態であった。
(気ぃ抜いたら倒れそうだぜ)
ヴァンパイヤの体を維持するのは容易ではない。
それに掻かせないのが人間の血というわけだ。
ピートとの戦闘でかなりの力を使った。そう。並みの魔術師(マギウス)と同じくらいには。
今すぐにでも輸血してもらわなければ粉微塵に砕けそうだった。
インカム越しに新名の状態を察知したのかスカーレットが言葉を掛ける。
『今から貴方を回収しにいくわ。それまでは持ちこたえて』
「もうダメ~。あと頼むわ」
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