1.初めての召喚

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生まれた時から左手の甲に羽形の白い痣(あざ)があるのですぐわかる。 白羽の御子は成人時に送られるギフトも特別なものになると言われていた。 ちなみに俺も白羽の御子だ。  白羽の御子は滅多に生まれない。 俺の住むラゴウの村では一〇〇年ぶりのことだそうだ。 それだけに周りの期待も高かった。 前回産まれた白羽の御子は優秀な戦士スキルを貰って、都で将軍になったそうだ。 しかも俺の痣は一般的な御子のよりも大きいそうだ。 その分、すごい力が授けられるのではなんて期待されている。 俺も今から自分がどんなスキルを貰えるか楽しみでしょうがない。 もしも人生で役立つスキルを貰えたら、俺も都に出てみようかなと考えている。 ヨランにそのことを伝えるととても喜んでくれた。 自分も一緒に都へついていって俺を支えたいとも言ってくれた。 だから明日が楽しみで仕方がない。 成人すれば俺たちは結婚だってできる。 都でいい職業についてヨランを妻に迎えて、幸せな家庭を作る、それが俺のささやかな夢だ。 俺たちは将来を語り合いながら短いデートを楽しんだ。  ヨランと都の話で盛り上がっていたのだけど、気が付けば東の空に星が浮かび始めていた。 幸せな時間ってどうしてこんなに早く過ぎ去るんだろう?      
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