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村一番のイケメンであるステルガは火炎魔法の力を得た。
気の優しいエバンスは農業の加護を得た。
地味だけどエバンスの親族は大喜びだろう。
この加護があると収穫率が格段に上がると言われている。
そして次はヨランの番だ。
ヨランはなんと俺のおばあちゃんと同じ生活魔法の力を授かっていた。
これは就職には困らないスキルだ。
これでヨランの将来は安泰に違いない。
火魔法で料理をしたり、水魔法でカメを満たしたり、吸引魔法で掃除をしたりと、生活魔法が使えるとメイドさんとして引く手あまただ。
俺と一緒に都へ行ったとしても食いっぱぐれはないだろう。
ギフト授与の列に並ぶ俺にヨランは笑顔で小さく手を振ってきた。
儀式はついに俺の番になった。
白羽の御子ということで俺の番は一番最後になっていたのだ。
「レオ・カンパーニ、前へ」
神官さんの声が重々しく礼拝堂に響く。
俺は少し緊張しながら前に出て神像の前で跪いた。
(どうか良いギフトが授かりますように……)
(任せなさい、白羽の御子よ。豊穣と知恵の女神デミルバが力を与えましょう)
頭の中で女神さまの美しい声が響いたと思ったら、俺はもうギフトを手に入れていた。
「レオよ、どんなギフトを授かりましたか?」
神官さんが優しく声をかけてくる。
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