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「すみません。今のところ召喚術は一日一回しか使えないようです」
泣かないように頑張ったけど、声の震えを止めることはできなかった。
「何の役にも立たないスキルじゃん」
火炎魔法を授かったステルガの声だった。
「よ、よせよ」
ステルガを諫めているのは農業の加護を授かったエバンスの声だ。
俺は怖くてそちらの方を向くことができない。
それでも頑張って顔をあげると神官さんと村長が幻滅した表情で俺を見ていた。
ヨランは?
ヨランはどこにいる?
俺はヨランを探した。
だけどヨランは俺と目が合った瞬間に視線を逸らしてしまう。
「あ~あ、馬鹿々々しい。早く帰って自分のギフトを試してみよう」
誰かの声が聞こえた。
「ねえ、私も連れて行って。一緒にスキルを試そう」
「俺のパワーも見てくれよ」
「私の水魔法って日照りの時にも使えるのかな?」
広場のあちらこちらにグループが出来上がり、自分たちの貰ったギフトについて話をしている。
俺はどのグループにも入っていける状態じゃない。
まさか、こんな役に立たない物を召喚してしまうなんて……。
いや、役に立つかもしれないけど、一個だけじゃ何ともならない。
確かに毎日召喚し続けて、三〇個くらい溜まれば使い道はあるかもしれない。
だけど、だからといってどうなるというんだ。
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