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洗濯物を干す時に便利だね、それだけだ。
呆然とする俺を置いて新成人は次々と広場を去って行く。
ヨランもステルガと一緒にどこかへ行ってしまった。
「レオ、あんまり思いつめるなよ。明日はもっとすごいものを召喚できるかもしれないじゃないか」
唯一人、俺にやさしい言葉をかけてくれたのはエバンスだ。
「うん……。大丈夫だよ……」
その日、俺は役立たずの烙印と、「洗濯バサミ」というあだ名、そして本当の親友を得た。
一夜明けた。
普通の家庭では昨日は新年のお祝いをしたはずだ。
家族のいない俺はヨランの家に呼ばれていたが、とても行けるような状態ではなかった。
目覚めた俺はさっそく召喚術を試してみることにした。
昨日は洗濯バサミだったけど、今日は違うものが召喚できるかもしれない。
今のところ俺の召喚術は一日一回しか使えないが、日付が変わればリセットされるようだ。
庭に出て辺りを見回す。
近くに人はいないようだ。
もしも、また洗濯バサミを召喚してしまったら、きっと馬鹿にされるだろう。
人には召喚術を使うところは見られたくなかった。
昨日のことを反省して今度はもっと集中して魔力を高めた状態で召喚術を使ってみることにした。
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