待てと言われたあの日から

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僕には彼女がいた。 友達もいっぱいいた。 優しい家族もいた。 ある日、僕は連れてかれた。大きな町だった。 そこには、僕みたいなやつはいなかった。 気づいたら箱の中にいた。隣にはイケメン。そのまた隣にはすごくおっきな奴。 「ここは、どこだ」 「たすけてくれ」 「うちに帰りたいよ」 叫び声や泣き声が響き渡る。ここには、僕みたいなやつがたくさんいるらしい。 ガチャン 箱の中へ何かが落ちた。美味しそうなにおいがただよう。 食べ物だ。僕はかぶりつくように食べた。 自由に食べられるなんて久しぶりだ。
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