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「待て」
そういってヤスは元気に家を飛び出した。
しかし、ヤスが再び帰ってくることはなかった。
ヤスは死んだ。
交通事故だった。コンビニへ行っている途中車に引かれたらしい。
僕は、泣いた。泣き続けた。
最後の「待て」の餌は永遠になかった。
それから時間は早かった。生き場所のなくなった僕は知らない人に連れて行かれた。安楽死させる場所らしい。
すべてを思い出した僕は心残りなどなかった。ヤスとの思い出が頭の中を駆け巡る。
僕は、静かに泣いた。
そして、静かに死んだ。
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