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はぁ…
今日も疲れたなぁ…
と駅に向かいながら、閑静な住宅地を歩いているとき、彼はそう思った。
しかし、彼は徐々にテンションが上がってきた。
なぜなら・・・
今日は金曜日!明日は休日だからであった。
では、休日に彼は何をするのかというと
彼は、毎週、自らが所属する草野球チームで野球をするのであった。
だが、彼は満足のいくプレーができない。
中学生の頃、医者に「もう投げることができない」と言われるほどの再起不能のケガをしてしまったからであった。
そんな重いケガをしても、彼は野球から離れず、現在でも野球を続けている。
勿論、投げれないので、代打、代走が中心ではあるが、彼は野球をするのが、楽しくて仕方がなかった。
住宅地を抜け、駅が見えてきたとき。
プルルルル、プルルルル
電話がかかってきた。
「もしもし、あ!先輩!お疲れ様です!」
どうやら、先輩からの電話だったようだ。
彼は目の前の信号が赤だったので、立ち止まって会話をする。
「大丈夫です。仕事終わったので」
「もち!行くに決まっているじゃないですか!明日は打ちますよ!」
彼は先輩と楽しそうに会話しながら、信号が青に切り替わったので、歩き始める。
それから、少し先輩とくだらない会話をした後
「んじゃ、そろそろ駅に着くんで…」
と電話を切り上げようとした時、彼は気づく。
猛スピードで1台のワゴン車が突っ込んでくるのを。
「は!?」
彼は急いで、巻き込まれないように走り出したが、車のスピードには敵わず、ワゴン車にはねられ、宙に舞い、頭を強打した。
その後、彼は微動だにしなかった。
電話を切っていなかったスマホからは
「おい俊介?!どうした!?おい返事しろ!?」
と男性の大声がかすかに聞こえていた。
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