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第四章 『貴方を導くものは何ですか』
例年と比べ物にならないほどの初雪が降ったクリスマス前日、ハルは悠に渡すプレゼントを悩んでいた。
悠々は貪欲なのか遠慮してか、何かを欲しいと言ったことがほんの二回くらいしかない。
欲深すぎるのもそれは困ったものだが、望みたいに欲しいと言ってくれれば良いのに。
悠々は恬淡寡欲だから、仕方がないんだけれど、普通この歳なら何が欲しいんだろう。
僕も金を使わないようにって思ってると貪欲になるし、何でもすぐ飽きるしで、特に何にも欲が出ない。
望が今近くにいれば良いんだけど、休みだからって女子と旅行に行っている。
翔は京都の方で楽しく過ごしてるんだろうけど。
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