キミはオレの希望

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「落ちるぞと危機感を煽ってみても駄目。私立を薦めても駄目。――なら菅田。どうしたら君は、『やる気』になってくれるのかな?」 「だから就職するって」 「……私が――嫌なんだよ」 「は?」  さすがにポカンと、口が開いた。 「何それ?」 「君はやればできるのに、やらない。そして周りは――親さえもが、君が『できない奴』だと思ってる。私はそこが、気に入らない」 「………………」  ――バカじゃないだろうか……。  檜山を見つめ、思ったのはそれだった。 「さて、そこでだね。……最終手段だ。私のために、頑張ってみる気はない?」  微笑む檜山の左薬指で、指輪が光る。  直接彼に触れた事も、ないクセに。  その指輪を外してやりたくて仕方なかった――。
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