キミはオレの希望

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 檜山の努力の甲斐あって、英語は徐々に点数が良くなっていった。  勝手に人の部屋に入ってテスト用紙を見つけた母親は、上がっている点数に満更でもない様子で「頑張ったじゃない」とどこまでも上から俺に言葉をかけてきた。 「今の時代、英語くらい出来ないと社会でやっていけないぞ」  普段俺の事なんか気にも留めないくせに、こんな時ばかりしたり顔で母親に同調する父親にも、ため息のような笑いしか出なかった。 「檜山先生のおかげだよ」  担任の名を出した事で、母親の顔が不快に歪む。 「あなたの努力でしょ」  自分を軽くあしらった若造が気に入らないという思い見え見えで、母は俺を褒める。  これが「母さんのおかげだよ」なら、きっと否定なんてしないんだろう。  ――あなた達にはゲンメツしてる……。  冷めた微笑を浮かべながら、心の中では口には出せない言葉を呟いていた。
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