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にぎやかな声をどこか遠くに聞きながら、ぼんやりと外を眺めていると、突然視界に映り込んでくるものがあった。手だ。
「ねぇ、聞いてる?」
彼女は誰だろうか。見慣れない服装、部屋。そして、周りに立つ七人。どれも知らないはずなのにどこか懐かしい。
「……また面倒ごと考えてんのかよ……」
自分の口をついて出た言葉に自分が一番驚いた。オレは彼女のことを知っているのか。少なくとも、また、と言える程度には。
「もう! 面倒ごとってなにさ! いっつも楽しいこと提供してあげてんのに! まぁ、いいや。今日はね、試したいことがあるの」
「ハァ? 一人でやってろよ。オレは部活に行く」
「ダメなの! 八人いないとダメなんだから!! あのね、実は――」
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