八草興業幹部 シマオ

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八草興業幹部 シマオ

 行きつけのバーで荒砂志摩男(あらすなしまお)は待っていた。  対立する隣町の組、工藤組の連中が八草組のシマで色々とやっている情報が入って来ている。  今の所表だって目立った事はしていないのだが、目をつぶっていればどこまでつけあがるかわかったものではない。  それがもとで警察共がうるさくなる事にでもなれば余計だ。 ここらでちょっと痛い目にあってもらはなくてはと言う事だ。  仮に少し手荒い事になったとして、自分のシマの中での事。落ち度は向こう持ちだ。  今回手下が嗅ぎつけてきた情報によれば堅気を一人拉致する動きがあるらしい。 人んチのシマでそこまでの勝手はさすがに見逃すわけにはいかない。 そこそこの立場の者が凄みを利かせておく必要はあるだろう。  もしコンビニに停まっているワンボックスが誰かを連れ込む様な事になったならすぐ連絡が来る事になっている。部下に命じて退路は封じてある。  あとは報告が来るのを待つだけだ。
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