秘密警察 マモル

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秘密警察 マモル

 車の中で国生守(くにおまもる)は待っていた。  長年かけてようやく揃えた確かな証拠から警察内部に某国の諜報員が紛れていた事が分かったのだ。 有能で部下の信頼も厚い熱血漢、出世目覚ましい津和寛治(つわかんじ)こそ国家の敵だったのだ。  通常ならば自宅に出向き拘束する所であるが、彼の自宅は要人も多く住む地域の為、抵抗された場合を考慮すると外出時に逮捕すべきだと言う案が採択された。  今対象は覆面パトカーで待機しているようだ。 踏み込めば逃走の恐れもある上、市民に被害が出る事も想定される為、彼がこの場を動くまでこちらも近づく事は出来ない。  彼が動き、そして人的被害の出にくい所に向かったならその時がチャンスだ。
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