暗殺者 ヒット

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暗殺者 ヒット

 とあるビルの上でコードネーム・ヒットは待っていた。  彼の依頼主である国の要請で秘密警察の国生守(くにおまもる)ほか数名の狙撃をするためだ。 理由は知らされていないしどうでもいい事だが、大方その国の諜報員の身元がバレかけたのだろう。自分の仕事がその諜報員に対しての警告なり帰還命令なりになるのかもしれない。  突然の依頼で、しかもやたら急ぎの用件だった。おかげでじっくりと計画を練る事も出来ず、逃走を安全にするためには狙撃するしか方法が無かった。  ようやく仕事ができそうな場所に陣取り、ターゲットの出方を待つ。一撃で仕留められなければ総てが水の泡になるだろう。しかし相手は車の中に居る為正確に狙いをつける事が出来ない。 せめていくらかその場所から動いてくれたのならフロントガラス越しにでも狙いは付けられるだろう。    勝負はその瞬間だ。
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