Ｔｏｎｉｇｈｔ

Global Organizing Directorsメンバー

　世界最高位秘密結社ＧＯＤは待っていた。

　たった数名で組織される世界最高機関。公にされない組織の彼ら一人一人の資産は先進国の国家予算の数十倍で、その投資の如何で世界の地図が書きかわる影響力を持ち、歴史を操ってきた機関である。
　その彼等は組織でありながらまた個人個人の投資家の集まりでもあった。

　その彼等が今注目していたのはたった一人の暗殺者の仕事の成否だった。

　彼等はここ数年かけて一つのレクリェーションをしていたのだ。
それは、メンバーそれぞれが任意の国にベットし、彼等の決めたルールに沿ってそれぞれの国がスコアを獲得したり失ったりしながら特定に期間内に最もスコアを伸ばした国にベットした者が配当を受け取ると言うものである。
　彼等はベットした国がより多くのスコアを獲得できるように様々な裏工作をし、あるいは裏工作を妨害し、世界をゲーム盤にしてきたのだが、今その結果がその暗殺者の仕事の結果にゆだねられていたのである。

　ただの遊びで国を買い取れそうな額が国家元首さえ知らないうちに世界で動くのだ。
とは言え、ＧＯＤメンバーは額が動く事など問題ではない。ただ、自分がベットした国が勝つかどうか、それにしか興味はないのだ。
　熱い期待、あるいはその逆を受ける暗殺者の仕事の結果を彼等は固唾をのんで待っていた。