第1章

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「記入は終わったみたいだな。何か分からないことはあったかな?」 「今んところは大丈夫っす」 「俺も大丈夫だ!」 「最後にこれを、部屋のカードキーと食堂、購買部で使えるカードだ。基本的に朝昼晩と食堂で食べれるけれどそのカードを無くすと自腹になるから覚えておいて」 なるほど、ブラックカードみたいなもんか 「では、改めて星鳳学園へようこそ。楽しい学園生活になる事を祈っているよ」 天候初っ端からこれだと先が思いやられるけどな… 「それじゃあ申し訳ないけれど引き続き寮までの案内もお願いできるかな橘君」 「はい、分かりました。行きましょう煉斗」 副会長に連れられていく望月を見ながらまたか、と思いつつ俺も後を追おうとして親父に止められた 「あ、萩原君はまだ書いてもらいたい書類があるから少し残ってもらえるかな」 「あ~…了解っす」 「えっ、じゃあ俺光の事待ってるぞ!」 「(チッ)時間がかかると思うから先に行ってて大丈夫だよ」 おいおい親父舌打ちが聞こえてきたぞ 「でも!「はいはい、煉斗、理事長もああ言っていることですし行きますよ」うわっ、何すんだよ冬弥!はーなーせー!!」 ぎゃあぎゃあと騒ぎながら望月は副会長に引き摺られるようにして理事長室を出ていった。 声が遠くなってから俺は親父に話しかけようとして 「親父久しぶ「光ううううううう!!」ぐえっ…」 抱き潰された 「ハァハァ、久しぶりの生光…。可愛い可愛い、光ううう」 「親父っ、苦し…うぇ…」 親父は俺を抱きしめたまま頬擦りや頭をしつこつ撫でてくる。正直ウザイ、てか苦しいから離して欲しい というか生光っていう響きはなんだか嫌だ… 「俺の光ぅ、こんな変装してても可愛い!世界一!いや、宇宙一だ!!!」 「うっ、ぐ……」 ああもうダメだと目を瞑った瞬間天の助けが 「理事長、久しぶりの再会で嬉しいのは分かりますが久しぶりと言っても2週間だけですし光さんも苦しがっているのでお離し下さい」 そう言って春山さんは俺を親父から引き剥がしてくれた。 た、助かった、窒息死するかと思った…
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