第1章

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理事長室に着くまでに俺は疲れ切っていた。 予想以上の距離を歩いた事もあるが原因は他にある。言わずもがな副会長と望月だ。 望月は副会長に手を引かれ質問されながら歩いたのだがそんな副会長の事はガン無視で俺の方を向きマシンガンかと思うくらいの勢いで俺に話しかけてきたのだ。俺はとりあえず適当に返事をしていたが歩きながら此方を何度か振り向いてくる副会長の視線は恐ろしいものだった。その視線だけで人を精神的に殺せるのでは無いかと思う程であった。 本日何度目か分からない溜息を吐けば望月が心配そうに声をかけてくる 「光大丈夫か? 俺に何か出来ることあれば言えよな!」 「アハハ、ダイジョーブダヨー」 「そっか!ならよかった!!」 かなりの棒読みで言ったのだがこいつには何も伝わっていない気がする… 「着きましたよ。ここが理事長室です」 「ぴかぴかだな!!!」 俺は呆気に取られる。望月の言う通りピカピカなのだ、扉もドアノブもまるで新品ですとでもアピールするかの如く綺麗過ぎる。 「理事長、生徒会副会長の橘冬弥です。転校生を連れてきました」 副会長がノックをすれば一息おいて中から聞きなれた声が聞こえる。 「…入りなさい」 「失礼致します」 「失礼します」 「失礼しまーす!!!」 それぞれ挨拶をして中に入る。 デスクに座ってこちらをにこやか、いや、艶やかに出迎える理事長、基俺の親父がそこに居た。 相変わらず色気ダダ漏れだなぁ
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