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私は何故だか目を離すことができなかった。
おかしな光景とも、美しいとも奇妙とも思うことが出来ず、なんとなく寂しい気持ちにかられた。
そして彼の流した一粒の涙に込めらた想い、瞳の先にある景色に触れたいと思った。
思ってしまった。
こんなことを思う私はやはりどこかおかしいのかもしれない。
途端、私の頬を冷たい何かが流れていった。
「あ、、」
(あ、やばいかも。)
瞳から私の欠片が落ちた。
胃の底から吐き出るよなムカつきと、絞られるような痛みが容赦なく私の感覚を奪っていった。
「気持ち悪い…」
一度外に出てしまえばもう止めることができない。どんどん溢れてくる不快なものを必死にハンカチで拭い抑えながら、私は急いで家に向かって走った。
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