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1.飼育委員
6年生になって、飼育委員をやることになった。
うちの学校の飼育委員は、朝と放課後にウサギのいる飼育小屋を掃除しなきゃいけないため、服が汚れるとかめんどくさいとか言われていて、随分と嫌われている。
係決め、委員会決め。私はいつも、後回しだ。
「みどりちゃん、飼育委員でいいよね!」
学習委員や保健委員などがジャンケンでワイワイ決まっていく中、クラスの中心的存在の女子に、そう言われた。
私が小さく「うん」と頷くと、女子はしめしめと言わんばかりに友達と笑いながら、黒板に書いてある飼育委員の欄に私の名前をわざとらしくでっかく書いた。
別に他にやりたい委員会もなかったしどうでもよかったけど、その様は嫌われた空白にすっぽりとあてがわれるようで──。
だけど、クラス替えで嫌いな子と一緒になって、その子が中心にいるクラスの空気に馴染めなくてどんどん孤立していった私にとっては、ごく当たり前の、仕方のない≪現象≫だった。
各委員は、基本男女の二人ずつ。私と飼育委員をやることになった人は、滅多に学校に顔を出さないような不良の男子だった。
事実上、このクラスでの飼育委員は私一人ということになる。
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