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城下町
二人が並んで歩く街へと続く通りは、進むに連れてだんだん広くなり始め人通りも増え、地面の手入れも行き届き平らにならされ、さらに街の中に入るとすっかり舗装されて、人も荷車もつまずくことのない立派な大通りへと変わっていった。
その大通りの両側には、ディーゴの家と同じぐらい、またはそれよりも大きな建物が立ち並び、それらの建物には多くの店が軒を連ね、道沿いの歩道にも露天や屋台がひしめき合い、店主たちが声を張り上げている。
その隙間をまるでくぐり抜けるように、多くの人や荷車が行き交い、その声や音が重なり合って巨大なざわめきとなり、耳が痛いぐらいであった。
ディーゴと連れ立って大通りを歩くアリシアは、目に入るすべてが驚きの連続であり、きょろきょろと街中を見回し、自分の生まれ育った農村とのあまりの違いに、
都会っていうのは、一体何がどうなっているのかしら、
と不思議がりながらも、初めての都会の景色に胸が踊り、ディーゴをあれこれ質問攻めにしていた。
ディーゴは微笑ましげに、時には真面目に、時には冗談を交えながら、その質問にすべて答えていく。
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