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「紫苑」による『精神操作』
「紫苑、奥の「翔」って奴なんだけど…貴女の言う通り『Aqua Virgo』の下部組織の傘下の店のホストだったみたい。
手前の子は該当なし。つまり手前の「要」って子は何も知らないの。「鼠」は奥の「翔」で、それに巻き込まれたのは「要」みたいね」
「そう言う事か。もういい…本題に入ってくれないか?」
『了解、Master…』
そう言うとあたしは席を立ち、VIPルームに鍵をかける。そのまま上着から注射のカートリッジを取り出すと要の足に刺し、そして耳元で呟いた。
『悪いけど寝ててくれない?後でちゃんと起こしてあげるから』
「か、要に何をしてるんですか!」
「そんなに騒ぐな。こいつが使ったのはただの睡眠薬だ」
「そんな…一体何なんですか貴方達は…」
『その台詞、そっくりそのまま返してやるよ。まさか『Aqua Virgo』の「鼠」が家の店に紛れ込んでいるなんてな…』
「な、何を言ってるんですか?第一そんな「組織」知りませんよ!」
翔の一言に、Kingは紫の瞳で睨み付けながら言う。
「今「組織」って言ったか?何でそれを知ってる?俺もこいつも『Aqua Virgo』を「組織」などとは一言も言っていないぞ?」
その言葉に翔は黙って下を向く。次の瞬間手袋をはめてナイフを手にした翔があたしの顔を切ろうとした。
あたしはわざとサングラスに当たるようにして避ける。サングラスの下から露になった濃紫の瞳で翔を睨み、威圧しながら言う。
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