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「そ、それは…俺と要で壊した。盗聴器を使う店なんて聞いた事がないからな…」
『家の組織の人間が持っていたものをどうやって手に入れた?』
「預かって欲しいって言われたんだ。でもそれが盗聴器だって分かったから何かあったらまずいと思って破壊したんだよ」
『……翔、嘘をつくなって言ったよな?盗聴器を持って来たのは家の組織の「Pawn」と呼ばれている部下なんだよ。そんな奴がお前みたいな奴に簡単に「預かってくれ」なんて言わねぇよ!』
あたしがそう告げた次の瞬間、翔は急に身体を震わせている。嘘をついたのがばれたと分かったのだろう…
「何でもお見通しってか?そうだよ!家の組織の人間から「盗聴器を見つけたら破壊しろ」て言われてたからな…盗聴器を持っていた奴に金を渡して「それを渡してくれ」って言ったんだよ」
「家のPawnは金では動かない。まさか殺したりしてないよな?紫苑、ナイフを調べろ」
あたしは翔の持っていたナイフを見つめる。綺麗な刃物の輝きはあるが、その中に血痕が見えた。
『新しい血痕があるね。死んではいないが怪我はしている。誰をこれで切った?』
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